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明太子物語
【漁獲編】第1話
助惣鱈(たらこ)の生産
【漁獲編】第2話
スケトウダラの生産量
2005年には、このうち5万tが日本で消費され3千トンが 韓国で消費されました。
日本では、卵はたらこ・辛子明太子に加工されますが、韓国では明太子に加工されるだけでなく、
チゲ鍋の具としても利用されています。
また、鍋ものの具として利用されるたらこは、
スプーンですくっても食べやすい小型のサイズが好まれています。
【漁獲編】第3話
漁場に行ってみよう!①
【漁獲編】第4話
漁場に行ってみよう!②船内での加工
トロール漁と船内加工場
スケトウダラは、水深150mから500m程度に生息しています。
スケトウダラの漁獲方法は、トロール漁・刺し網漁・延縄漁に分けられます。
なかでも、魚群探知機を使い、ふくろ状の網を引き回し効率的に漁獲するトロール漁が、
現在の漁の中心となっています。
【漁獲編】第6話
『色々な漁法』
スケトウダラの漁獲方法は主に、
底引き(そこびき)・刺し網(さしあみ)・延縄漁(はえなわりょう)に分かれます。
A.底引き漁
底引き漁(トロール)とは、ふくろ状の網を船で引き回して行う漁です。
魚群探知機を使い、効率的に漁獲する事で現在の漁獲の中心となります。
水深50mの浅海から1.000mの深海まで広い範囲でおこなわれます。
B.刺し網漁
刺し網は海中に目の大きな網をカーテンのように吊るして、魚が網の目に刺さるのを取る方法です。
漁は前日に仕掛けておいた網を引き上げる事で行われます。
浮き玉の竿につけられた旗が目印の刺し網は、水深70m~90mあたりに仕掛けられます。
網の目は約11cm、長さは約1500m。
ローラー網を巻き、網に刺さったスケソウを外していくことで漁を行います。
C.延縄漁
延縄漁は、長く太い幹縄に枝縄をつけ、
その先に餌をつけた釣針を海中に沈めて魚を釣り上げる漁法です。
手間も掛かり漁獲漁も少ない事から現在はほとんど見られません。
一般的に「釣り子」と呼ばれている原料は、延縄漁で漁獲されたものです。
スケソウは主に150mから500m程度に生息しています。
上記の中で正解は、A.底引き漁(トロール漁)です。
【漁獲編】第7話
『スケトウダラ産地と資源の活用』
産地によって水域やプランクトンの量が違うため、魚体の大きさは異なります。
一般的に、アメリカ海域のものはロシア海域よりも大きく、今は獲れなくなりましたが、
北朝鮮のものはかなり小さかったそうです。
また、同じ海域でも乱獲が行われると、魚体は小さくなります。
魚体が小さくなったら、危険信号なのです。スケトウダラの資源は生命力が強い反面、
一度壊してしまうと回復するのに長い年月が掛かると言われています。
色々なサイズ、色目、切れ具合、成熟度の原料がありますが、規格別に選別する事により
有効活用を図っています。
【漁獲編】第8話
「原料原産地表示」
1.スケトウダラの原産地
必ずしも獲った場所で原産地は決まる訳ではありません。
公海上で獲った船の国籍で原産地の表示が決まります。
公海で外国船と日本船が漁を行えば、それぞれ外国産・日本産となることになります。
また、外国の国籍となった原料は、関税を払って輸入する必要もあります。
2.日本産のスケトウダラは何故減った?
1978年以降は経済水域200海里時代となり、日本漁船はそれまでは日本船の漁場であった
アメリカ・ロシア海域から締め出されました。
その結果、アメリカ・ロシア漁船が獲った助惣鱈(スケトウダラ) を輸入しなければならなくなりました。
同様に、韓国漁船も同じ理由で操業出来なくなり韓国産もほとんど無くなりました。
結果的に、日本産・韓国産が減り、ロシア産・アメリカ産の原料が増えました。
中身は同じでもルールの変更で原産地が変わったのです。
【漁獲編】第9話
領海と3海里時代
現在領海(※)は原則12海里と決まっていますが、実は20世紀末まで、領海はなんと3海里だったのです。
1海里は約1.852kmですから、3海里は約5.56kmとなります。
「土地の権力」は武力の尽きるところで終わる」という事で、
当時の沿岸砲の射程距離が3海里程度の飛距離でしたので、これの距離で領海を決めました。
領海3海里の設定は、こうして決まりました。
余談ですが、その後の技術の発達で戦艦大和の18インチ砲の射程距離は
約45km(24海里)もの飛距離があったそうです。
【漁獲編】第10話
排他的経済水域200海里宣言
サンチェゴ宣言
1952年にチリ・ペルー・エクアドルの三国が排他的経済水域200海里を主張しました。
100海里でなく300海里でもなく何故200海里かと言うと、沖合いのペルー海流のアンチョビ(いわし)を自国の資源として確保するための距離が200海里であったからです。
これらの国は、ヨーロッパ、アジアと異なって、200海里宣言をしても
隣国との水域が重なるこもありませんでした。
日本では
日本等の当時遠洋漁業が盛んだった国は、世界の海に出て漁業をしており、
自国漁業の利益のために「狭い水域」を主張。
アメリカでは
優秀な海軍力を持つアメリカは、その行動範囲が制限されることを嫌い、「狭い領海」を主張。
それを保障されれば広い排他的経済水域に関しては反対ではありませんでした。
発展途上国は
食料資源確保のために「広い水域」を主張。
そこで各国が集まって会議のうえ、1982年に「国連海洋法条約」がつくられ、
排他的経済水域は200海里以内とすることが決められました。
※排他的経済水域とは
国連海洋法条約に基づいて設定される経済的な主権がおよぶ水域のことを指す。
沿岸国は国連海洋法条約に基づいた国内法を制定することで自国の沿岸から200海里の範囲内の
水産資源および鉱物資源などの非生物資源の探査と開発に関する権利を得られる代わり、
資源の管理や海洋汚染防止の義務を負う。
【漁獲編】第11話
日本近海の漁獲
【漁獲編】第12話
北転船ってなに?
スケトウダラ漁の歴史の中で、「北転船」は外せません。
ところで、「北転船」とはいったい何なのでしょうか?
北転船とは
北転船とは操業海域を日本近海から北太平洋海域(ベーリング海やオホーツク海)に転換した
中型底引き網漁船の通称で、スケトウダラ・カレイなどを漁獲していました。
最盛期の昭和四十八~六十年には150隻を超える船が操業していました。
しかしながら、その後の各国の200海里政策や資源の急激な減少などが痛手となり、
次第に魚場は制限され、“北転船”の数は数隻までに激減、現在に至ります。
名前の由来
昭和三十五年の漁業政策で北洋への転換がはかられたことから、 北転船と呼ばれています。
【漁獲編】第13話
アメリカ又はロシア?
辛子明太子も原料原産地表示を行う様になりました。
商品によっては、「アメリカ又はロシア」という表示をしています。
これは、個々の商品についての原料原産地は確定できないものの、大枠での原料割合が判っている
場合の表示なんです。
例えば、2本入りの商品があったとします。
それぞれ1本ずつの原料原産地は、分からないけれども、年間を通じた使用原料割合を把握している
場合の表示なんです。
「アメリカ又はロシア」という表示は、アメリカ産原料と、ロシア産原料を使っていて、
年間合計ではアメリカ産の方が多いという事になります。