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明太子物語
【製品編】第1話
明太子の作り方
1.原料・解凍
(1)船上で助惣鱈のお腹から取り出されて凍結された原料を解凍します。
(2)原料を専用の解凍機で一晩かけて鮮度が下がらないように、温度管理を行いゆっくり解凍します。
2.塩蔵(塩漬)
解凍された生子(調味されていない原卵)を、塩水に漬け、塩蔵たらことします。
3.味付、熟成
塩蔵たらこを辛子の入った、調味料に漬け込み、冷蔵庫で寝かせることで熟成します。
4.味付、熟成
計量し、包装します。
【製品編】第2話
塩蔵工程
1.生の卵には粒子感はありません。
助惣鱈(スケトウダラ)のお腹から取り出した生の卵を食べても、明太子・たらこを食べた時のような、プチプチとした食感はありません。
2.塩蔵で粒子感が出る。
塩水に漬け込むことで、卵のタンパク質が変性し固くなることで、プチプチとした食感のたらこになります。このことを蛋白変性といいます。
3.塩分濃度
あまり塩分濃度が低いとたらこの粒子感は出ません。7%位が最も粒子感が出ますが、食感が塩辛くなるため5%前後に調整します。
4.蛋白変性
この蛋白変性の最も判り易い例が鶏卵の“ゆで卵”です。
この現象は熱を加えると液体の生卵が固体の“ゆで卵”に変わります。
もちろん助惣鱈の生卵も塩蔵だけでなく、焼いたり、煮たりし熱を加えても同様に蛋白変性し粒子感を出す事が出来ます。
5.塩鮭・キャビア
塩鮭・塩サバ等でも塩締めされた魚は明らかに生と違い、蛋白が塩で変質し身が締まった状態になります。イクラや筋子、キャビア等の魚の卵も塩による硬化作用である独特の「つぶつぶ感」を生み出します。
6.酸・アルカリでも蛋白変性する
牛乳にヨーグルト菌を入れ、その菌の出した「酸」で蛋白が固まったものが“ヨーグルト”
アヒルの卵を、土(アルカリ性)に仕込んで固くしたのが “ピータン”です。
【製品編】第3話
品質管理①
(安定と安心の商品)
かねふくでは、安定と安心の商品をお届けするため
品質管理を徹底させています。
【製品編】第4話
品質管理②
(更に美味しい商品を提供するために)
かねふく開発部門では、
お客さまに更に美味しい製品をご提供するため、
数多くの取り組みを徹底して行っています。
【製品編】第5話
品質管理③
(工場での安全衛生活動)
かねふく開発部門では、
お客様に常に安心・安全な商品をお届けするため、
工場の安全衛生管理、指導などにも力を注いでいます。
その他の衛生指導
【製品編】第6話
明太子と塩分
明太子は、塩分が高い食品なんで食べるのを控えなさい!
なんて話を聞きますが、実際に食べる量を20g程度とすると食塩量は、1.1gで、実はみそ汁1杯分よりも少ないのです。
グラフを見てお分かりの通り、明太子を20g程度食べるのであれば、塩分の取りすぎにはならないと言えます。
それよりも明太子には、隠れた機能があるのです。
【製品編】第7話
明太子とコレステロール
卵を食べるとコレステロールが心配だと良く言われますが、
卵は卵でも鶏と魚の卵では内容が変わります。
鶏の卵のコレステロールは、g/420mg、明太子ではg/280mgです。
ところが、魚卵には、イコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)がたくさん含まれています。
【EPAとは】
EPAは、魚の脂(脂肪)に含まれる不飽和脂肪酸で食品で摂らなければ人間の体内で生成することが出来ない大切な栄養です。
【DHAとは】
DHAは、魚の目や脳に多く存在するEPAの仲間です。
2つの不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす役目を担います。
コレステロールが気になる方に
体内のコレステロールの70%は肝臓で作られ残りの30%は摂取した食品から吸収されます。このEPAやDHAは、肝臓でコレステロールの生成を抑える働きがあるため、魚卵を食べる事でコレステロールの値を下げる効果があります。
これが「肉類よりも魚を食べなさい」という事なんですね!
【製品編】第8話
老化が気になる方に
老化を防ぐビタミン E
ビタミンE(α-トコフェロール)は、その抗酸化作用によって、過酸化物質を低下させます。また活性酸素を抑える効果から細胞の老化を妨げる効果も期待されます。
明太子で若々しく
たらこ・明太子には、ビタミンEやEPA/DHAが肉類よりも豊富に含まれています。
美味しく食べて、若々しくありたいのであれば、その効果はかなり期待出来ます。
【製品編】第9話
手が若い
明太子の製造過程で、明太子に触れる作業を行う人は、衛生上の理由で、薄いゴム手袋をして作業しています。
人間の手の平は未来が見え、手の甲は過去が見えると言われます。
これは手のひらの手相と手の甲の皺の事を言っています。年齢とともに手の甲の皺は深くなります。
ところが、素手で明太子を加工していた20年以上前の事です。
当時の事を聞くと、何故か明太子を製造していた人達は、年齢と比べても手が若いと言われてました。
明太子の栄養成分が加工していた人の手に若さの成分を与えていたのかも知れません。
【製品編】第10話
そもそも明太子ってなに?
この決まりは、すけとうだらの卵巣では無い色々な素材を、唐辛子等で辛子めんたいこのような調味液漬けしてはいけないという事ではありません。
美味しいものを作り出す事は、企業努力であり、素晴らしい事です。
ただし、その様なものに「辛子めんたいこ」という名前をつける等して、誤認を与えてはいけないという決まりごとです。
【製品編】第11話
辛子明太子の塩分変化
配送や家庭での保管に冷蔵庫が普及する以前は、たらこや塩さば等の塩蔵品は保存の目的で、かなり塩分が高いものでした。
辛子明太子もその一つで、1980年代には約10~12%も含まれていました。 現在の平均値は、約4~6%程度です。
塩分を減らす様になったのは、健康志向が強まった事とそれを支える衛生意識の向上及び冷凍技術の進歩があります。
しかし、一般的に辛子明太子には防腐剤や保存料は使われておりません。
ですので、賞味期限内でも早めにお召し上がり頂く事をおススメ致します。
【製品編】第12話
明太子のカロリー
辛子明太子は、カロリーも高い様に思われますが、実のところそんなに高くはないのです。
辛子明太子同様に、食事の際に追加の1品となる「納豆」や「豆腐」一食分の分量と比較するとよく分かります。
【製品編】第13話
明太子の脂質
カロリーと同様に、気になるのが脂質ですね。
これもまた、「納豆」や「豆腐」一食当たりと比較してみました。
厚生労働省の規定では、3.0g/100gに満たない食品について「低脂質」という事ができるそうです。
辛子明太子は、3.3g/100gなので、低脂質とは言えませんが、それに近い食品なんです。
【製品編】第14話
色々な販売方法
辛子めんたいこは、3種類の商品、販売方法に分けられます。
【製品編】第15話
2つの原産国
「原産国」には、2つの意味があり、それぞれの意味で、2つの原産国がある場合があります。
原料原産国
主原料の「すけとうだら」をとった船の船籍の事です。
詳しくは「漁獲編第8話~原産地表示~」ご参照 >>
加工原産国
明太子に仕上げた国名です。辛子めんたいこの製造工程は色々ありますが、塩漬けしたすけとうだらの卵巣に唐辛子を主原料とする調味液等で味付けした国の事を指します。
また、「博多」と言えるのは、福岡市及びそれに隣接する市町村地域において製造したものだけなんです。
【製品編】第16話
お客様に安心していただくために
お客様に安心して商品を選択していただく為に、色々な取決めを「全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会」で、決めています。その決まり事は大きく下の3つに分けられます。
【その1】必要表示事項
表示しないといけない事と、その基準を定めています。
【その2】過大包装の禁止
中身に対して、大きすぎる包装容器は使ってはいけないと定めています。
【その3】不当表示の禁止
お客様に誤認させる表示をしてはいけないと定めています。
お客様の情報や市場調査等を行い、これらの取決めが守られているか、確認しています。
次話より、それぞれについて、順を追って説明します。
【製品編】第17話
過大包装の禁止
過大包装とは?
中身が多く入って入るように見せかけることによって、良い商品だと誤認させる不当なものです。
過大包装の判断基準
観光土産品の公正競争規約を参考にして、基準を設定しています。
原則として、容器に対して中身が3分の2以上であることを目安にしています。
【製品編】第18話
必要表示事項
次の事柄を、見やすいところに表示しないといけません。
①品名
②原材料名
輸入したスケトウダラの卵巣を使用している場合は、ここに原料原産国が表示されます。
③事業者の指名又は名称及び住所または所在地
この商品について、責任をもつ会社名等を表示します。
④内容量
⑤賞味期限
商品によっては、消費期限の事もあります。
⑥保存方法
具体的な温度を表示します。
⑦輸入品に当たっては原産国
加工原産国を表示します。
【製品編】第19話
公正マーク
全国辛子めんたいこ食品公正協議会の審査に合格した商品には、公正マークを表示する事ができます。
公正マークの付いた商品は、適正な包装・表示の商品であることが、認定された商品なんです。
【製品編】第20話
不当表示の禁止
次の様な表示は、不当表示となるので、表示してはいけません。
(客観的な根拠があれば、表示可能な場合もあります。)
(1)辛子めんたいこではないものを、辛子めんたいこと思わせてはいけません
例:製品編第10話参照
(2)原産国を誤認させる表示をしてはいけません
例:海外で製造した商品に「博多」と表示してはいけません
(3)勝手な賞をつけ、表示をしてはいけません
例:11年度辛子明太子創作大賞受賞等と勝手な賞を作って表示してはいけません
(4)受賞していない商品に、賞をつけてはいけません
例:たらこで受賞した賞を、明太子に表示してはいけません
(5)他社よりも優れていると、誤認させる様な表示をしてはいけません
(客観的な根拠があれば、問題ありません)
例:「他社にはない最高級の逸品」等と表示してはいけません
(6)他社や他社商品をひぼう中傷してはいけません
例:「冷凍した原料は粒子が破壊されている」等と表示してはいけません
(7)実際よりも優れていると誤認させてはいけません
例:商品とあきらかに違う見本を展示してはいけません
【製品編】第21話
「鮮度」と「熟成」
辛子めんたいこの「熟成」とは、「調味液で味付け加工をして、いい状態に味が浸透し定着した状態」とされています。
通常、「熟成」には数日間の時間を要します。
また、辛子めんたいこは、生のままお召し上がり頂く事が多い食品ですので、「鮮度」も大切です。
「熟成」が進む間に、「鮮度」はおちるという事になります。
つまり、「熟成」と「鮮度」という、相反する2つのバランスが大切なんです。
「長期熟成」という言葉より、ウイスキー、ワイン等の高級年代物を連想させますが、 実はこれだけではアンバランスなんです。
【製品編】第22話
辛子めんたいこ表示・衛生管理士
福岡の特産品として全国に流通する辛子めんたいこの安全安心をより確かなものにするため、平成22年に創設した「辛子めんたいこ表示・衛生管理士検定試験」に合格した方々が対象となります。
一般的な食品表示や衛生管理についての確認に加え、辛子明太子に特化した知識も問われます。
表示の誤りや食中毒事故が無い様に、業界として取り組んでいるんです。